中国語学習速度と個人の性格の関係


果たして、語学学習速度と個人の性格は関係あるのでしょうか。以下に興味深いエントリを見つけましたのでご紹介したいと思います。

■『村哥のネイティブ・スピーカーへの道002 中国語学習のモチベーション』
http://chaigo-colum.seesaa.net/article/92860637.html

このエントリを書いている村哥さんと実際会ったこともあるのですが、中国語が非常に堪能です。発音はネィティブに限りなく近く、日本人だということを名乗らない限りは、現地の人によく間違えられるそうです。しかしながら、その耳や発音は先天的なものでなく、後天的な努力によって作られたものだそうです。今回はそんな彼のターニングポイントから語学学習のツボなるものをみてみましょう。

大学1、2年と“一応”第二外国語で履修していたため、ある程度は交流できるだろうと甘く見ていたのですが、私の中国語は全く通じる事なく無残に撃沈、それを横目に私の友人は現地人との会話を楽しんでいました(当時の私では全く聞き取れませんでしたが、彼の中国語もきっと片言だったのでしょう)。これが私の“負けず嫌い”に火をつけ、帰国後の講座学習、自己学習、ひいては1996年の北京留学へとつながったのでした。

村哥さんでもヒヨコの時代があったようです。隣の芝が青く見えすぎたのかもしれません。大学の第二外国語程度ではネィティブにはまず通じません。ある意味ではふつうの学生さんだったのです。

1996年の北京留学は敢えて日本人留学生の少ない「北京商学院(現北京工商大学)」を選択しました。そこでも私の負けず嫌いは奏功することになります。今でも忘れる事ができない授業初日、授業も終盤を迎えそろそろ教科書を片付けようかとしているその刹那、先生が急に私に向かって『听了百分之多少(ni3 ting1dong3 le bai3fen1zhi1 duo1shao)?』と何気に質問を投げかけてきました。留学直前には毎日カセットテープを聞き、ヒアリングの勉強を繰り返してきた私ですが、さすがに “耳”は簡単には慣れてくれません。聞き取れていない私が返答できずに狼狽していると、後から唯一の日本人クラスメートが「先生は『何パーセント聞き取れた?』って言ってるんだよ」と耳打ちしてくれました。

耳打ちされた直後は、本当にヘコんだことでしょう。村哥さんが一般の留学生と違うところは、さらにストイックに自分を追いつめるところなのです。

結果的にこの一言が、クラスメートには負けたくないという“負けず嫌い”を再び燃焼させることとなります。家庭教師、相互学習等、授業以外で一日平均7時間勉強の日々が始まったのはこの直後の事でした。当然の事ながらクラスメートはあっという間に置き去り、留学後3ヶ月足らずでHSK6級を獲得するに至りました。

中国語をやっている人ならば、3ヶ月で6級がどれだけ早いかわかると思います。

ここで私が留学していた当時、先生から教えてもらった日本人向けの中国語学習進捗表をご紹介します。日本人は漢字ベースなので、閲読などの初期段階の単語はどんどん入っていき、初級→中級までは非常に早いペースでのびていきます。図の①の部分までくると、多くの日本人は留学前期分を通過した状態です。この中級からが非常に長い道のりで『発音』と成語などの語彙がネックになってきます。無論、村哥さんは初期の段階から『発音』を重視してきたため、ここでもペースは鈍化せずにのびていきます。多くの留学生が1年のカリキュラムで進めるのは、中級の真ん中の部分まで。②以降の高級までいけるのは大学で専攻してきた人や村哥さんのようなコツをうまくつかめた人だけです。

それでは、そのコツとは何でしょうか。最後に村哥さんは以下のように述べています。

私の中国語学習のきっかけ、語学力の高度成長共に私の勝気な性格が生んだのです。「負けず嫌い」というものは度が過ぎたり、表に出しすぎたりすると、周囲の人間に嫌悪感を与えてしまいますが、それを巧みにコントロールし自己のモチベーション向上に資する事ができればそれに勝るものはないと私は確信しています。

なるほど『負けず嫌い』がポイントのようです。これまでターニングポイントのたびに『仮想敵』を作ってきた村哥さん、今現在目標としている人はいるのでしょうか、それとも『将来の己』が今現在の仮想敵なのでしょうか。

怒りや悲しみもそうですが、ネガティブなものをマネジメントするということはマスターに時間がかかる反面、後で多大な効能をもたらしてくれるようです。

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