タヒチに行かれた方は、海の透明度に心奪われてしまうそうです。(08.10/3追記)

私が個人的に師と仰いでいる池田光男氏がタヒチの魅力にとりつかれ、個展を開いているそうです。東京駅そばの日本ビル地下1階『快晴堂フォトサロンギャラリー』にて作品を見ることができます。タヒチに興味のある方、オフィスが丸の内にある方、ぜひごらんになっていただければ幸いです。

ちなみに池田光男氏から今回の個展にあたり、解説を寄稿していただけました。
以下全文掲載します。

成田空港からタヒチ本島までは飛行時間約12時間、時差19時間である。わたくしが、撮影に行く場所はいくつかの離れ島で、遠い島だと小型機でさらに2時間半も乗らなければならない。
なぜ、そんな遠い島まで行って風景写真を、と不審に思う友人、知人が少なくない。その理由は、タヒチの離れ島が風景写真の被写体として、私自身が限りなく魅せられてしまったからにほかならないからだ。

タヒチの海の色に魅せられたきっかけは、8年前大手旅行会社の南太平洋のパンフレットを見たことに始まる。手にとりページをめくった途端、目に飛び込んできた藍青色の海の色の余りにも鮮やかさに心を奪われた。日本では絶対見られない青い色である。パンフレットの写真が醸し出す海の色香にぞっこんほれ込んでしまった。

ほれたら、次は現物を見たくなるのが人情である。最初に行ったボラボラ島での撮影が、タヒチのとりこになる第一歩であった。現物は印刷物より一段と輝きがあった。翌年に行ったのがモーレア島である。行ってみて気付いたのは、島ごとに海の色が同じブルーでも色調が違っていたことである。そこで、次の年にはランギロア環礁へと、異なるブルーを求めて行くうちに、ブルーの変化の違いに、どんどん引き込まれていってしまった。

タヒチの離れ島の風景は、被写体としては単調である。藍青色や群青色の海の色、水上コテージ、白い雲、椰子の木などを、いかに組み合わせて構図を描くかに、写真の出来不出来がかかっている。風景写真は斜光の時間帯に撮影するのが最も好ましいといわれているが、タヒチの海景はセオリーと異なる。タヒチ特有の藍青色は、トップライトで撮影したものが最も鮮やかな色に写る。

タヒチの海の色に魅せられてから、はや6年、毎年、年1回は行くようになってしまっている。しかし、タヒチの離れ島にも時代の変化は押し寄せている。ボラボラ島では、大資本によるゴージャスな水上コテージを備えた3つのホテルが新規に参入している。まるで、「水上コテージ銀座」である。タヒチの原風景が失われつつある。そこで、写真展のタイトルは原風景にこだわった「最後の楽園」とした。

ニッコールクラブ江戸川支部
池田光男

*2008.10/3追記:池田先生の常設ギャラリーがhaaya.net内にできました。
作品は毎週水曜日、10枚ずつ更新されていきます。興味のある方は是非。

■Mitsuo Ikeda Photolog | The last paradise TAHITI

SNSでもご購読できます。